アスベストの危険性が叫ばれるようになってから、アスベスト建材に対する風当たりも強くなり、アスベストを含む建材はすべて危険物とみなされる傾向があります。しかし、現実には、すでに使用されたものがまだ耐用年数があり、そのまま残っているものも数多くあります。それらの危険度がどのくらいか検証してみましょう。
▼石綿セメント製品
アスベストとセメントを混合した製品は、粒子の結合がひじょうに強固なので、ふつうの状態で、アスベストが空気中に飛散する恐れはほとんどないと考えてよいでしょう。
[参考]
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ただ、現場で、のこぎりを使って切削加工する時や、古い材料を取り外したりする際には、いくらか飛散することは考えられます。それぞれの製品のアスベスト含有量は、重量比にして、石綿セメント板(石綿スレート)は約一五パーセント、石綿セメント板二〇パーセント、フレキシブル板三五パーセントくらいです。
▼石綿成形板
断熱材や吸音板として加工された製品は、その性能上、アスベストの含有量が多く、接着材で固めてあるため、繊維の結合力は弱く飛散の恐れが多分にあるため、現在は製造されていません。石綿保温板、ケイ酸カルシウム保温材などです。
▼プラスチック床材
ビニールタイルと呼ばれる約三〇センチメートル角くらいの貼付床材には、若干のアスベストを含んだ製品があります。これはプラスチックとの結合度が大きいのと含有量が少ないため、摩耗による飛散も問題になるほどではありません。しかし、現在製造されているものは、アスベストは使用されていません。
▼吹付アスベスト
開綿したアスベストに接着材を混合して吹きつける材料で、鉄骨構造の耐火被覆、事務所や学校などの吸音用として、また冷暖房設備の断熱保温用として、一九六〇年ころからビル建築に大量に使用されました。アスベストの含有率は約七〇〜八〇パーセントと多く、したがって、施工時に空気中に飛散するアスベスト量も多く、周辺汚染のはなはだしい材料です。
施工後も崩れた表面から飛散する恐れがあり、また年月が経過するにつれて接着材が老化し、アスベストが放出される危険性があります。一九七四年に、この使用は全面禁止になりましたが、現在、施工後二〇年以上経過して、吹付材の老化が目立つ建物からのはく離作業について、工事中の飛散防止の対策が問題になっています。なお、吹付アスベストに代わる材料として、現在は吹付岩綿が使用されており、これには発ガン作用はないといわれていますが、それを実証するデータはまだそろっていません。